私の「愛の天使」との物語


初めての出会い

2015年11月、私は友人の家から「妞(ニュー)」を迎えました。
初めて会った時、彼女はまだ生後1か月半ほどの小さな女の子のビションフリーゼでした。
彼女は真っ白でふわふわ、瞳は星のようにキラキラと輝いています。
私がしゃがんで声をかけると、彼女はゆっくりと口を開け、小さな前歯を私に見せました。
それが彼女のほほえみだったと、気づいたのはしばらくしてからのことです。

オシャレな英語の名前をたくさん考えましたが、彼女がにっこり笑っているのを見た瞬間
頭の中に「妞(ニュー)」という文字がふっと浮かびました。
「そうだ、ニューにしよう。あなたは「ニュー」、今日から私の“娘(中国語で娘の意味)”だよ。」


静かに寄り添ってくれる存在

週末の午後、私がソファーでくつろぎながら本を読んでいると、ニューは体を丸めて、ぴったりと私に寄り添ってきます。
レースのカーテン越しに、日差しが彼女に降り注いで、真っ白なふわふわの毛がゆったりとした呼吸に合わせて揺れています。
私は本に夢中になってしまい、時折、うっかり彼女の体に足を載せてしまうことがありますが、そんな時でも彼女はただ、そっと姿勢をかえるだけで、そのまま私のそばに寄り添ってくれます。
ページをめくる音に、ニューのかすかな寝息が混ざって、これこそ、私の一番心が安らぐ午後のBGMです。

ほほえみは、私の心が沈んだときの光

ニューが我が家にやってきたとき、息子は12歳。ちょうどやんちゃ盛りでした。
私は昼間は仕事に追われ、夜は息子の勉強に目を配る毎日で、頭がいっぱいになっていました。
仕事と家庭、両方のプレシャーがまるで波のように押し寄せ、ストレスが私を覆い、疲れ果てた私は、ソファーに倒れ込み、思わず泣き出してしまった事がありました。
その時、ニューは静かに近づいてきて、普段のようにじゃれつくこともなく、あごを軽く私の手に乗せ、うるんだ鼻でそっと私の手の甲に触れてきました。
彼女の温かい体温が柔らかい鼻先を通じて私に伝わり、顔を上げると、そこにはニューの笑顔がありました。
彼女は口元を両側に優しく引き伸ばし、小さなピンクの舌先を少し見せていました。
私が見ていることに気付くと、小さな前足を私の手の平に乗せてきました。
彼女のその澄んだ瞳が、まるで私に「大丈夫だよ」と語りかけたかのようでした。

愛は、静かに寄り添うこと

いたずらをした息子に私が怒っているのを見ると、ニューはいつも一番に息子の足もとへ駆け寄り、ごろごろと転がり回っては、私の方に向かって尾を軽く振ります。
ニューの甘えた鳴き声で緊張したその場の雰囲気はだんだんと和らいでいきます。

夜が更けても、私が仕事のことで悩み続けているとき、ニューはいつも静かに机のそばに伏せ、そっと私に付き添ってくれます。彼女の小さな頭を軽く私の足の甲に寄りかけてくれるのです。
彼女の温もりは、心の奥に温かく流れ、これまでの疲れをそっとやさしく癒してくれます。

ふと、私は気づいたのです。
子育てにおける忍耐も職場での思いやりも、決して作られた、教え込みや叱責のようなものではない、と。
それは、星のようにきらめいているニューの瞳が教えてくれたこと。
ただ純粋に、誠意を持って応え、静かに見守り続ける。
職場で誰かがそっと差し出してくれる一杯の温かいホットコーヒーのように、或いは、いつの間にか誰かの手によって整えられたファイルのように、声を発さなくとも、そこには確かな温もりと力が宿っているのだと、私はニューを通して知ることが出来ました。

愛は、日常の中に

ニューは、キッチンの前で朝ご飯を待っている姿であり、午後のソファの傍らで寄り添うぬくもりであり、気持ちが落ち込んだ時、そっと心を癒やしてくれるぬれた鼻先でもあります。
夕暮れの陽に映る、私と並んで伸びる小さな影は私の沈黙の中にあるものを理解し、私もまたニューの小さな合図を感じ取ります。
私たちは言葉がなくても目と目で対話し、体温を通じてお互いのあたたかさを分かち合います。
その生涯を通じて、彼女は私とともに在り、ありふれた日常を、優しさに満ちた柔らかい光に醸し出してくれるのです。

ニューの笑顔は、生まれつきのものではなく、それは彼女がたくさんの愛を私に注いでくれた証。
私はニューを愛しています。

私と「妞 (ニュー) 」の愛は、言葉を越えて。
それは、彼女が私を愛してくれるように。


寄稿日:2025年9月
この記事を書いた人:
常州鴎琵凱搬運機械有限公司/常州OPK/OPK CHANGZHOU CO. LTD.
行政副总经理/DGM  (Deputy General Manager)
苏蓉(スー・ロン)/SU RONG

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