小さな力の積み重ねが、やがて大きな成果を生む︱常州鸥琵凯搬运机械有限公司 製造部 陈凯波 コラム

――「油圧運搬車の精神」に学ぶ、私の成長ストーリー

工場の喧騒の中、静かに、しかし確かな存在感をもって動き続ける油圧運搬車。その小さなボディは、数トンもの荷物を軽々と持ち上げ、運び、現場を支えている。その姿は、私自身の成長の歩みと重なるようでもあります。

私は2015年に大学を卒業し、常州OPKの製造部技術課に入社しました。最初の仕事は、設計図を描くことではなく、現場に入り、機械加工、組立、溶接など、あらゆるチームで実地研修を受けることでした。

初めて工場に足を踏み入れたとき、疑問ばかりが浮かびました。細い油圧シリンダーがどうしてあれほどの重さを支えられるのか。寸法が規格内に収まっている部品に、なぜさらに調整が必要なのか。見た目に完璧な溶接線が、なぜ非破壊検査を経なければならないのか──。

しかし、先輩方とともに現場に深く入り、実際の作業を体験していく中で、その答えが少しずつ見えてきました。「公差」「溶接品質」「組立精度」――これらの細部こそが、機械に命を吹き込む核心であり、「小さな力が大きな力になる」ための鍵だったのです。

常州OPKが大切にしている「一輪の花の乱れが、千里の差を生む」という言葉。その意味を、私はまさに現場で肌で感じることで理解しました。

2016年、資材部に配属され、私の視点はものづくりの「経済性」へと広がりました。わずかな部品コストの違いが大量生産で大きな金額に影響し、納期の1日のズレが生産ライン全体に混乱を招く。その中で私は、現場で培った「精度」への意識を、コスト管理や納期調整といったビジネススキルへと昇華させていきました。

2017年以降は技術業務に専念するようになり、それまでの2年間で積み上げた経験が、問題解決のための「真の力」へと変わっていきます。

たとえば、溶接チームの生産課題に対しては、機械加工の知見を活かし、構造設計を見直すことで大幅な効率改善を実現しました。品質検査においては、電子化を進めることで透明性と追跡性を強化。さらに、資材調達時の現場調査の経験を活かし、油漏れのリスクを下げる提案も行いました。

油圧運搬車は、私にとって最も無口な“師”です。誇ることなく、黙々と重荷を運ぶその姿は、こう教えてくれます――

「成長も成果も、一足飛びでは達成できない。磨くべきは細部、突破口は経験、そして力は、積み重ねの中から生まれるのだ」と。

新人として部品の名前すら分からなかった私が、今では自ら課題を見つけ、解決に取り組める技術者へと成長しました。その原動力は、常に「小さな力」への尊敬と信念でした。

これからも初心を忘れず、「油圧運搬車の精神」を胸に、一歩一歩、小さな力を積み重ね、企業により大きな力を届けていきたいと考えています。


寄稿日:2025年11月
この記事を書いた人:
常州鴎琵凱搬運機械有限公司
製造部
陈凯波 / Chen kaibo

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